HOMEカテゴリSPECIAL [スペシャル]SONY VAIO Pシリーズ 説明会&体験会 イベントレポート その3(新VAIO Pシリーズ 2つの“シンカ”)
VAIO P イベントレポート

SONY VAIO Pシリーズ 説明会&体験会 イベントレポート その3(新VAIO Pシリーズ 2つの“シンカ”)

SONY VAIO 新Pシリーズ開発者説明会&ハイスペックモデル先行体験会の参加レポートです。
第3回目の今回は「2つの“シンカ”」をテーマに、新VAIO P シリーズが具体的にどのように変わったのかのお話しです。
このレビューは「みんぽす」の無償イベントに参加して書かれています。(詳細は末尾で)
前回までの記事は
その1 今までのVAIOが目指してきたウルトラモバイルPC
その2 これからVAIOが目指すべきウルトラモバイルPC
のお話しでした。

今回は、「2つの“シンカ”」をテーマに、新P シリーズが具体的にどのように変わったのかご説明いただきました。

新Pシリーズの“シンカ”

新Pシリーズの“シンカ”

写真クリックで拡大

新VAIO Pシリーズ2つの“シンカ”とは?
ひとつめは基本機能を深く掘り下げる「深化」と、新しいチャレンジをする進む方向の「進化」です。
こういうキャッチ、ソニーさんウマイです。個人的に大好きです。

で、深い方の「深化」ですが、携帯性と使いやすさの両立を深めるため、“ジャストキーボードサイズ”はキープしたままさらにデザイン・機能・性能を強化したそうです。

進む方の「進化」は小さいボディにさまざまなセンサーを内蔵し、直感的な操作や、位置情報の活用など、移動先で活用したくなる“新しいスタイル”を提案しているそうです。

目指すは「もっと、手放せないPC」です!

深化:サイズを維持しながら基本性能を向上

深化:サイズを維持しながら基本性能を向上

写真クリックで拡大

まず、深く突き詰めていく方の「深化」です。
スタミナ向上、パフォーマンス向上、ユーザービリティ向上と大きく3つですね。
これらの詳しい「深化」を説明いただきました。

深化:スタミナ向上への挑戦

深化:スタミナ向上への挑戦

写真クリックで拡大

新VAIO Pシリーズではスタミナ向上にもっともポイントを置いているそうです。
現状のバッテリー性能は、まだまだ短いと考えているそうで、 今後もバッテリーに関してはこだわって開発を続けていくとの事です。
是非とも、すずいちさんの言っていたウォークマン並の持続時間(50時間)を開発して欲しいです(笑)
バッテリーサイズ比較

写真クリックで拡大

合体~!!!いや違います(笑)
新VAIO Pシリーズではバッテリー自体のサイズ奥行き方向に5mm伸ばしています。
本体サイズはそのままで駆動時間を1.5倍にチャレンジしたそうです。

ガシガシ

こんな感じでガシガシ振ってました(笑)

すずいちさん的大ざっぱな説明ですと、初代typePのHDをSSDに変えて、ガシガシガシガシ~!!と振って下に部品をよせたらしいです(笑)これでバッテリーのスペースを確保したって…オモシロぱ過ぎますよ、すずいちさん(笑)
新Pシリーズはパフォーマンスの深化もかねて全モデルSSDモデルとなっています。
HDは衝撃に弱い為、衝撃を吸収するスペースを用意する必要があったそうですが、衝撃に強いSSDにする事で、HDよりもスペースを確保する事ができたそうです。 その分バッテリーサイズを大きくする事ができたんですね。
ガシガシガシガシ~と詰めた基板

写真クリックで拡大

ガシガシガシガシ~と詰めた基板です(笑)初代typePはHDが見えます。新VAIO PシリーズではHDはなくバッテリーの空間が大きくなってるのが分かりますよね?。
尚SSDは基盤に隠れて見えてません。

この結果バッテリーは体積12%、容量19%アップとなりましたが、目標である駆動時間1.5倍には到底及ばなかったそうです。ですので、開発陣の更なる挑戦が続きました。

深化:スタミナ1.5倍実現のカギ

深化:スタミナ1.5倍実現のカギ

写真クリックで拡大

スタミナはソニーの「命」と考えていて、どの機種の場合でも電気、メカ、ソフトの総勢20名からなる「スタミナ検討委員会」が設立されるそうです。「命」とは…気合い入ってます。

ここで、豆知識として説明があったんですが、電気製品が持つって意味の「スタミナ」はソニーの登録商標だそうです。(知らんかった…)それぐらい昔からソニーはバッテリー駆動時間にこだわっているんですね~。そりゃ気合いも入りますね(笑)

「スタミナ検討委員会」では100以上の項目を挙げてトライしているそうです。
その中で成功したモノの積み重ねが、バッテリー容量での19%アップ以外の残りの部分31%アップさせ、1.5倍(50%)を実現させたとの事です。なんか大変そうな委員会ですよね…僕は入りたくないかも(笑)

深化:さらなる消費電力との戦い

深化:さらなる消費電力との戦い

写真クリックで拡大

初代VAIO type Pは電源オフ/休止状態の間にじわじわとバッテリーを消費してしまう問題、
通称「おもらし」という問題があったそうです(笑)
僕は知らなかったんですが、参加されたみなさんはtypePユーザーが多かったので、知っているようでしたね。

初代type Pには、電源オフ/休止状態から電源を復帰させワンセグ録画する機能があり、これを実現するために、とある場所に電源OFFから復帰するための電気を供給していたそうです。
つまり、電源を切っていても電気を消費している状態(おもらし状態)って事ですね。

しかも、この「おもらし」ワンセグの無いモデルでも発生します!
なんとワンセグの有り無しで作り分けられる部分では無かったそうです。
かなり困った仕様になってたんですね(汗)

ここですずいちさんより設計的な言い訳…いや説明がありました^^;
開発チームの想定では、外へ持ち出した後に家に帰ったら必ず充電をする思っていたそうです。ですが、実際にはバッテリーの充電はせずに、1週間後など期間をあけて、そのまま使用するユーザーが結構多かったそうです。(僕も結構バッテリーはギリギリになるまで充電しない性格です)
そうなると残っていたはずのバッテリーは「おもらし」しちゃって無くなっていますので、いざ外に持ち出して使用すると「アレ!?バッテリーが無いよ!」って事になったそうです。開発チームでは見誤った部分だとおっしゃていましたね。

そこで、新VAIO Pシリーズではワンセグを見切り、ワンセグ録画する場合はACアダプターを使う仕様に変更したそうです。これより、満充電の電源OFF状態で、初代tyepaPでは12日しか持たなかったのが、新Pシリーズでは7ヶ月に改善(どんだけー!)しているそうです。

すずいちさん曰く「ちょっとやる気を見せてみました」だそーです(笑)

深化:ユーザビリティー向上

深化:ユーザビリティー向上

写真クリックで拡大

これ前回の記事でもあった高解像度による「文字が小さくて見にくい問題」ですね。
ソニービルのアデンダントさんからも「初代のVAIO Pに興味はあるが文字が小さくてダメ」というお客さんが結構多いと話があったそうです。でもやはり、細かく表示できる高解像度が良い場面もありますから、僕も含め高解像度派(1600x768)も多い訳です。
解像度を切り替えボタン
そこで両方のニーズをかなえるため、新VAIO Pシリーズではハードウェアのボタンで解像度を切り替えられる方法で解決しました。

これ便利です。わざわざコントロールパネルで画面の設定とかを弄る必要もなく、ポチっとワンタッチで切り替わります

これなら簡単に高解像度、低解像度のそれぞれのメリットを利用することができます。


「深化」の話はここまです。
お次は、「2つの“シンカ”」のうち、新しいチャレンジをする、進む方向の「進化」のお話です。
進む方の「進化」は小さいボディにさまざまなセンサーを内蔵し、直感的な操作や、位置情報の活用など、移動先で活用したくなる“新しいスタイル”を提案しています。

進化:立ったままでも操作可能(すずいちの挑戦)

進化:立ったままでも操作可能

写真クリックで拡大

すずいちの挑戦

写真クリックで拡大

タイプU譲りの「モバイルグリップ・スタイル」への再挑戦です。
これはすずいちさんの体験が起点になったそうです。
高解像度に一票入れたすずいちさんでしたが、実際初代typePを机の上でタイピングしている最中、ちょっと見にくかったので、持ち上げて画面を顔の近くに持ってきたそうです。
すると…「みやすいなーみえるなー」…が、このままだと操作できない(そりゃそうです^^;)
タッチパッド
そこで、ディスプレイの両サイドにタッチパッドが入ったら良いんじゃかと思いつき、
モバイルグリップスタイルの復活がスタートしたそうです。

すずいちさんは他の開発陣にタッチパッドの話したら「おまえは何を考えてるんだ?」って感じに不評だったそうです。そこで、タッチパッド担当にむりくり試作品を作って貰ったそうです。
カオスなが試作品

写真クリックで拡大

どどーん!これが試作品です。これは裏側(ディスプレイ裏)なんですが、PS2のデバイスをUSBに変換してるそーでして…かなりカオスです(汗)
すずいちさんもおっしゃってましたが「ズイブンやっつけ仕事」です。 と言うか、担当さんは「なんでこんなの作らなきゃいけないんだよ!」って感じだったんでしょーかね(笑)
でも、この試作品はメチャクチャ活躍したそうですよ!

「百聞は一見に如かず」言葉でいくら説明してもダメだった人が、これを実際使って貰っうと意見が180度変わったりしたらしいです。
実際触らせていただきましたが、見た目とは裏腹にきちんと操作する事ができましたよ。

ちなみ一番意見変わったのはデザイナーだったらしいですよ。
デザイナーとしてはタッチパッドが付くとデザインが不細工になると言っていたそうですが、
実際触ってみたら「これは必要だ!」なったらしいです。

実は、この試作品がPCの使える場所を広げ、新しい世界を生み出したのかもしれません(笑)

進化:開発チームの挑戦

進化:開発チームの挑戦

写真クリックで拡大

新VAIO Pシリーズに、せっかく「モバイルグリップ・スタイル」を付けるのだから、もっと何かできないか?検討したそうです。そこで、衝撃に強いSSDの採用で今までやってはいけない操作が可能になったので、それを利用した操作方法を考えました。

まずは「フリック」

衝撃を関知してHDのヘッドを止めるGセンサーの技術を流用した機能です。
PCを左右に傾ける事でページ送りができます。

さらに、「ターン」

本体を回転させると画面が縦表示になります。
なにげに右回転、左回転どちらにも対応してます。(スゴイ!)

「モバイルグリップ・スタイル」も進化していますね。

ちなみに僕のBLOG画面で縦位置と横位置のサンプル画像を作ってみました。
※ブラウザの枠やタスクバー等は表示してません。参考程度に見てください。

→横位置画像のサンプル画像
これが横位置、左右が勿体ないですね。文字の表示量も少なく、読みにくいです。
※僕のブログは横幅固定ですんで左右が空きますが、Yahoo!ニュース等、横幅可変(リキッド)のサイトの場合は横まで内容が表示されます。

→縦位置画像のサンプル画像
これが縦位置です。文字の表示量も多く、なによりも本に近いイメージで読めます。
スゴク見やすいですよね?

ただし、縦表示にしたときには、キーボードが横になっちゃうので、文字入力などの操作がかなり困難になります。また、スクロールはカーソルキーがあるので使いやすいですが、クリックなどはちょっとしづらかったです。まっ慣れもあるとは思いますが、ここらへんは次期モデルでは改善して欲しいですね。(タッチパネルとか?)

ちなみに、加速度センサー使用したスクロールも検討されたようですが、これはボツになっています。
これ、本体を傾けるとブラウザがスクロールする機能なんです。一見かなり便利そうに感じますよね?でも、動かしはじめは良いんですが自分の思ったところで止められないんです(汗)
加速度センサースクロール

写真クリックで拡大

この位置から…

加速度センサースクロール

写真クリックで拡大

こう倒すとスクロールします!

試作器を実際に触らせていただいたんですが、使いづらかったです(汗)
使っててオモシロいんですけどね…かなりゲーム感覚でしたね。
使いこなすには職人的な技術が必要という話も…(笑)

進化:キーボードはPCの「操」

進化:キーボードはPCの「操」

写真クリックで拡大

初代VAIO typePのキーボードは高い評価を得ているんですが、すずいちさんは不満だったそうです。
何故なら、試作段階でOKをだしたフィーリングが量産機で変わってしまったそうなんです。
だから、新Pシリーズは直したくてしょうがなかったようです(笑)

僕も実際に体験したんですが…、かなり微妙な違いな気がしました(汗)
もちろん初代typePと新Pシリーズでの違いは分かったんですが、初代typePの試作と量産の違いは、「この二つは違うんだ!!」と分かっていて、感覚を研ぎ澄まさないとわかりませんでした。
キーボードソムリエ

写真クリックで拡大

でも、同席したモノフェローズの方には、メチャクチャ違いが分かるという方もいました。
すずいちさんも含め、キーボードソムリエ状態でしたよ(笑)
尚、新Pシリーズは初代とはキー配置、キーの高さ全てを見直し内部構造も変わっているそうなんですが、キータッチは初代typePの試作機にフィーリングを近づけたそうです。
こだわってますよね~。

ちなみに、すずいちさん曰く「キーボードは個人の好みであり、最初に触ったキーボードに影響される」そうですよ! ちなみに僕が最初に触ったのはファミリーベーシックです(笑)

デザイン刷新の意味

デザイン刷新の意味

写真クリックで拡大

次はデザインのお話なんですが、今回の新VAIO Pシリーズは外に持ち出して、アクティブに使って貰いたいところから元気でビビットなカラーとしたそうです。そして、光沢だと大切に感じて手軽に使いにくいので、あえてマットなテイストでキズが目立ちにくい素材を採用。ザクッとカバンに入れて使って欲しいとのことです。
VAIO Pシリーズ

写真クリックで拡大

形もガジェット的なモノよりはやわらかい有機的なイメージとし、シートを畳んだデザインになってます。電子機器ではなくインテリアショップに売っているようなモノをイメージしたそうです。
インテリアショップ

写真クリックで拡大

これは先日行ったインテリアショップさんなんですが、たしかにここに置いてあっても違和感なさそうですね!これは女性にうけそうなデザインですね~!! ちなみに、社内ではナルトとかロールケーキって呼ばれていたそうですよ(笑)
デザインのコンセプトには納得できますし、悪く無いんですが、僕的にはもう少しカクカクしたソリッド感のある形が良かったかな…。505 EXTREMEとか(古っ)先代Zシリーズとかが好みです。
あと、気になったのがマット材質は傷は目立ちにくかもしれませんが、逆にヨゴレ安いと思うんでよね…色もヨゴレが目立つビビットカラーなんで、ちょっと心配です。こればっかりは、実際に使い込んで見ないとわからないですが。
あ!でも僕が買うなら絶対ブラックなんで関係無いかも(笑)

ちなみに、すずいちバージョンとしてハイスピードなイメージを出すために、3倍速いアレのアレにあやかって、赤色も作りたかったそーですよ(笑)ん!?…でも緑は製品化されましたね!さすが量産型ですね(オイ)

こうした開発陣の情熱とこだわりで生まれた新Pシリーズ。
次回は実機を触ったレポートです(やっとですね^^;)

→イベントレポート その4(そして生まれた新Pシリーズ )実機レビューに続きます。
Sony Style(ソニースタイル)

11927-2727-170890



このレビューはWillVii株式会社が運営する レビューサイト「みんぽす」から招待されたイベントに参加して書かれています。 本イベントへの参加及びレビュー掲載は無報酬です。また、WillViiは掲載内容に一切関与していません(本情報開示と事実誤認時の修正を除く)。本イベントに参加された他の方のレビューはこちらのみんぽすTBセンターでご覧になれます。(WillVii株式会社みんぽす運営事務局)

TRACKBACK URL

※言及リンクのないトラックバックは削除されます。
※書き込まれてから公開されるまで時間がかかる場合があります。

COMMENT