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FUJIFILM X-Pro1 体験イベント

レンズ交換式プレミアムカメラ「FUJIFILM X-Pro1」体験イベント その2(ソフトウェア編:進化した撮影メニュー、フィルムシュミレーションモード、多重露出機能)

富士フイルムさんより発表された「Xシリーズ」フラッグシップモデル「FUJIFILM X-Pro1」の体験イベントに参加してきました。
「FUJIFILM X-Pro1」はAPS-Cサイズでローパスレスのイメージセンサー、OVF/EVFを切り替えられるハイブリッドマルチビューファインダー、そして独自マウントの「Xマウント」等々、気になる機能がてんこ盛りのカメラです。
前回はレンズやセンサー、ファインダーなどハードウェア面のお話しをお聞きしましたが、今回は撮影メニューやフィルムシュミレーションモード、多重露出機能などのソフトウェア面のお話しになります。
富士フイルム株式会社が過去のモニター参加者を中心に招待した発表会に参加して書いています。今回のイベントに関してメーカーからの報酬、及びその他の取引関係はありません。 また、事実誤認時の修正と本定型文の掲載以外、メーカーから記事の内容に対する関与は受けていません。

Q(クイックメニュー)ボタン

FUJIFILM X-Pro1
前回お話しいただいた、XFレンズ、Xマウント、X-Trans CMOSセンサー、ハイブリッドマルチビューファインダーなどのハードウェアだけでは無く各種メニューなどの操作系もX100から進化しています。
まずは、背面右側に設置されたQ(クイックメニュー)ボタン。これを押すとクイックメニューとして撮影に関係のある感度やダイナミックレンジなどが選択できるようになっています。
FUJIFILM X-Pro1

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使用頻度の高いメニューが一覧で表示されるので、かなり見やすく使いやすそうです。これ良いかも!


タブの増加

FUJIFILM X-Pro1

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X100からセットアップメニューや撮影メニューなどのメニュー画面のタブを増やしたそうです。メニューをタブごとに別けて納めることで、スクロールを無くし各設定にアクセスしやすくなっています。たしかにNEX-5などはスクロールが長くてアクセスに時間がかかる時がありますからね。K-5はX-Pro1と同様にタブ式です。好みもあるかもしれませんが、僕的にはタブ式の方が使いやすいと思いますね。
FUJIFILM X-Pro1

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X100との比較してみましたが、かなり増えてますね…ってかX100のタブ少なすぎな気が…(笑
FUJIFILM X-Pro1

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なおX100は小さくする事の優先順位が高く、我慢しなくていけなかった部分が多かったそうです。
例えばシャッタースピードダイヤルにロックボタンを付けることや、露出補正ダイヤルをボディに埋め込む事によって安易に回らないようにすることなど、十分な大きさがあるX-Pro1では可能になったそうです。
また背面のRAWボタンは親指での誤動作を無くすために思い切って取ってしまったそうです。硬い考え方だと一度作ったインターフェイスは変えないというのが常なんですが、Xシリーズではユーザーの声を聞いて改善できる部分は改善したいと考えているそうですよ。
ちなみにこのX100は四本木さんのなんですが、児島商店レザーロープストラップRFやAki-asahiの貼り革キット、そして外付け露出計「Voigtlander VC-METER II」でカスタムしまくり。商品企画の河原さんも感心してましたよ(笑
しかし、カッコいいなー。


スタジオ撮影にも対応する「フィルムシュミレーションモード」

富士フィルムさんでは昔からフィルムでの色作りを行ってきています。そのフィルムでの色作りを生かしデジカメ用にVelvia、PROVIA、ASTIAなどのフィルムシュミレーションモードを作ってきています。今回はレンズ交換ということでスタジオ撮影を想定し、プロユースの方にも答えたいと考えて新たに2つのシュミレーションモードを追加したそうです。
ちょっと話が逸れますが、富士フィルムさんのフィルムというと、僕の場合、昔(10年以上前ですが)仕事でDTPをやっていた頃に使っていた製版フィルムを思い出しますね。確か最初はコダックを使っていて途中から富士フィルムに切り替えたんですよね…。現状のコダックの状況を考えるとなんだか感慨深いですね。
で製版フィルムには触れてきたんですが、当時は写真はカメラマンまかせでVelvia、PROVIA、ASTIAと言われても良く分かりません(ぉ
FUJIFILM X-Pro1
そこで、ちょっと調べてみました。これらは富士フィルムさんのリバーサルフィルムのブランドであるフジクロームの代表的なフィルムでした。

Velvia(ベルビア)

超高彩度と鮮鋭度に加え、優れた粒状性と解像力を合わせ持ち、自然風景・花をはじめ、幅広い分野の撮影に適しています。特に、精密な描写や色彩の強調が必要な場合に最適です。

PROVIA(プロビア)

あらゆる被写体に対応できるオールマイティフイルム。増感適正・長露光適正もトップレベルで、プロ写真家からの信頼も厚い高性能スタンダードフィルムです。

ASTIA(アスティア )

究極の肌色再現を求めた世界最高レベルの超微粒子フイルム。柔らかな階調表現と透明感のある色再現はポートレート写真分野において、その性能をいかんなく発揮します。

見た目に自然な色再現で幅広く活用できるPROVIA、メリハリのある階調と鮮やかな色調のVelvia、そして肌色の自然な階調と風景の鮮やかな色調を両立させるASTIAということのようです。


FUJIFILM X-Pro1
このVelvia、PROVIA、ASTIAのシュミレーションモードはX100やX10など従来機種から搭載されていたんですが、X-Pro1ではスタジオ撮影を踏まえ新たにプロネガモードというネガフイルムのシュミレーションモードを2つ追加し、さらにボディ横にはシンクロターミナルを搭載しています。

新たに追加されたシュミレーションモードは以下の2つ。

やわらかな「プロネガS」

営業写真館などで使われる「フジカラープロフェッショナル PRO160 NS」という、やわらかな階調で人物のポートレイト用のフィルムをシュミレートした「プロネガS」。

メリハリの「プロネガHi」

もう1つが「プロネガHi」。これもスタジオ撮影用ですが「プロネガS」とは逆にメリハリが出るそうです。子供写真館など、どこで撮っても均一な写真が撮れるように凄くやわらかいライティングをしているとベタっとした写真になってしまします。こういった場合にメリハリのある写真を撮ることができる「PRO160 NC」というフィルムがあり、そのフィルムの画質設計コンセプトを踏襲しているそうです。

また、フィルムシュミレーションブラケットが追加されています。
いままでも一度の撮影でVelvia、PROVIA、ASTIAというような撮影が可能でしたが、これは固定されていてユーザーが自由に変更できなかったそうです。今回はフィルムシュミレーションモードがかなり増えたのでシュミレーションモードをユーザーが自由に選択可能にしたそうです。例えばVelviaとモノクロとセピアといったように自由に組み合わせ可能になっており、ワンシャッターで3種類の色再現が楽しめるとのことです。これは便利そうですね~。

しかし富士フイルムさんのデジカメが出す色が好きという話をお聞きするするんですが、ここら辺のフィルムを基本とした色作りへのコダワリが受け入れられているんでしょうね。
あー僕も富士フイルムさんのデジカメで写真撮ってみたくなってきた(笑


仕上がりを確認できる「多重露出機能」

FUJIFILM X-Pro1

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X-Pro1では、新たに多重露出機能も追加されています。
多重露出は1枚の中に複数の画像を映し込む撮影方法なんですが、他のデジタルカメラでも多重露出できるカメラはあり、銀塩フィルム時代から多重露出という手法はありました。ただ撮影後でないと仕上がりを確認できないことがほとんどでカンに頼るしかありませんでした。
FUJIFILM X-Pro1

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しかし、このX-Pro1では確認しながらの多重露光が可能となっています。
1枚目で撮影した画像が2枚目を撮影する際に半透明で重なって表示されます。
EVFでも背面液晶でも可能なんですが、なんとOVFでも可能!
OVFの場合、正確な位置合わせは難しいですが、非常にクリアに表示されます。
これ、試したとき僕は思わず「あ…映ってる!」って言ってしまったんですが、河原さんはこういった反応が見たくて商品企画をしているとのことです(またかw
なお、1枚目と2枚目は個別に露出して、その平均値をとるとのこと。
あと背面液晶での多重露光機能を動画で撮影してみました。

ちょっとわかりにくいかもですが、最初に撮った画像が半透明で写っているのがわかりますよね?
これだったらかなり正確に仕上がりをイメージできそうですね。

以上、撮影メニュー、フィルムシュミレーションモード、多重露出機能でした。
そして最後に河原さんから少しお話しがありました。

プロの写真家と作り上げた「X-Pro1」

FUJIFILM X-Pro1

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一年前にX100というカメラを出して以来、X10、X-S1と出してきましたが、そのシリーズのフラッグシップとして満を持して出したのがX-Pro1とのことです。
富士フィルムさんでは、X100の時もそうだったんですが、こういうカメラを作る時、プロフェッショナルな写真家の方を何人かお招きして何度も何度も「これでいいですか?」とヒアリングを重ねて作っているそうです。
それはメーカーとしてあまり思い上がらないようする為だそうで、作ってる人が決めてしまうと「もうこの辺でしょうが無いじゃないか?」と妥協してしまう時があるそうです。実際に今回のハイブリッドマルチビューファインダーの時に「あまり小さくならないし大きくなるよりは単焦点でいいよね?」と変倍式を諦めかけたそうです。そんな時、写真家さんから「そんなつまらないカメラを富士フィルムが出してどうするんだ?」と叱咤激励され、頑張って作り上げたそうです。
前回の記事の「XFレンズ」の1/3ステップの絞りリングも、プロの方の意見を聞いて作り上げてたそうですからね。X-Pro1はある意味ユーザーの意見を色濃く反映したカメラと言うことになりますね。

X-Pro1のターゲットはプロやハイアマチュアだけではない

FUJIFILM X-Pro1

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X-Pro1はプロ写真家やセミプロ、ハイアマチュアの方をターゲットとしています。 ただ販売していきたいターゲットというのはこれらのユーザーだけでは無いそうです。
X100の時にカメラ好きで、マニアックな人しか買わないと言われたそうなんですが、実際に調査をしたところX100のユーザーは40%が女性であったり、購入者順位の第2位が20~30代の女性だったそうです。X100は「かわいい」といわれる方が多く、外観デザインでカメラの商品価値を認めてくださる方も多かったそうです。そしてなにより「長く使えそう」、「1回買ったら後悔しないだろう」といったような「良い物を使いたい」という価値観の方が買われているケースが多いそうです。
ターゲットとしては必ずしも写真を商売にしている方達だけではなく、飾って置きたいだけとか、ちょっと持ち歩きたい、気軽にいつも持っていたというような方々にも、是非ともこのカメラをお持ちいただければなと思っているそうです。

うーん、飾って置くだけでこの金額はちょっと…(笑 やっぱりカメラは使ってなんぼですよね。
しかし、X100は孤高の男カメラ(?)って感じがしていたんですが、女子にも人気だったんですね。たしかにあのクラシックな外観は「かわいい」と言えばそんな気もしてきます。あとシルバーボディが良かったのかな?ブラックボディで発売されていたら、そこまで女性にウケなかった気もしますね。

という訳で河原さんからのお話は以上でした。
次回はX-Pro1を触った感想や、NEXなどと比較した写真をアップ予定です。
それでは次回に続きます。
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